何世紀という時の流れの中で

2011年-2012年 – 21世紀

2011-2012 : メリクリウスの間の修復とグラン・コマン(付属建物)の事務機能を設置

2011年は、王の大居室の第一の部屋であるメリクリウスの間の修復から年が明けました。壁と天井の傷みにより、強化と天井の一般的な修復の必要性に迫られていたのです。そのため、部屋にある他の絵画の修復も含め、部屋全体の修復を行うことが決定されました。特に上部の飾りと調度品の整備が必要となりました。ジャン=バプティスト・ドゥ・シャンパーニュ作の天井絵の修復が、彫刻部分の後に行われました。足場が取り除かれた後、室内壁の装飾をリヨンで製造された絹のダマスカスと取替え、調度品がもとに戻されました。アイディアは、この部屋がフェリペ5世としてスペイン王となった14世の孫アンジュー公によって、スペイン出発前の1700年に使用されていたことを思い起こさせることです。極めて珍しいことに、ヴェルサイユ宮殿には1700年11月16日から12月4日の数週間、同じ屋根の下に2人の王が滞在していたのです。

この部屋の修復は2012年10月8日に完成する予定です。

2012年末は、ヴェルサイユ宮殿の一部の機能が1681年-1684年にマンサールによって建てられたグラン・コマンに移される予定です。この建物はかつて、宮廷に使える人々と王の官僚たちが住んでいたところです。1793年以降に武器製造工場になり、その後王政復古時には学校となり、そして1832年から1986年まではドミニク=ラレイの軍病院として長い間使用されたこの建物は、1996年にヴェルサイユに返還されました。この見事な建物には、ヴェルサイユ宮殿の事務・保存機能が併わせて入ることになり、本来の役割を取り戻します。

グラン・コマンの中庭、2012年、ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館© EPV/クリスティアン・ミレ

グラン・コマンの中庭、2012年