何世紀という時の流れの中で

1975年 – 20世紀

1975 : マリー=アントワネットの寝室を復元

1975年6月16日、ヴェルサイユ宮殿を訪れた人々は、王妃の寝室に復元された調度品を目にしました。この部屋の家具の取り換えは、1939年第二次世界大戦開戦前夜に始まっていました。1787年にジャン=バプティスト=クロード・セネが納めた王妃の寝室のつい立てを、国家がヴェルサイユ宮殿美術館友の会の協力により購入したのです。1946年、リヨンの機織り人たちがブロケードの絹織物とアルコーヴのタピスリーの縁取りを織り直し始め、1948年に完成されました。これは1786年にデファルジュに注文された王妃の寝室の「夏の家具」のランパを再現したもので、白い背景に百合のブーケとクジャクの羽根が織り出されています。タピスリーは、1789年10月に国王一家がヴェルサイユを離れる前に飾られていたものです。

同時に、板張りとグリオット大理石の暖炉の部分がヴェルサイユの収蔵庫から見つかり、元の場所に戻されました。1957年からはつい立ての布の部分と椅子の刺繍が着手され(そのうち、1773年にアルトワ伯爵夫人に納められたPloyantと呼ばれるピアノの椅子のような形をしたベンチは、ダヴィッド・ダヴィッド=ヴェイルが1966年に提供したもの)ました。1959年、ヴェルサイユはニューヨークで、王妃の寝室で使われていた本物の装飾用のベッドカバーを購入しました。1960年から1964年の間に、サヴォヌリーのアルコーヴ絨毯は本物と同じ様に仕上げられました。クリスタルのシャンデリアと金色に塗られたブロンズ像が、「吊り天蓋付」ベッドと同様に再現されました。

王妃の寝室の手すりは革命後失われていましたが、ヴェルサイユの保存チームが新たに作り直し、以前と同じように金色に仕上げることを決めました。家具師フェルディナンド・シュヴェルトフェーガーのダイヤモンドの櫃は、寝室にいるマリー=アントワネットの姿を描いたゴティエ・ダゴティのグワッシュに描かれているように戻されています。

1975年に完成した豪奢な装飾は、現在王妃の寝室の中でひしめき合う人々を驚かせています。元来の装飾品と厳密に再現された調度品が織り交ぜられたこの寝室は、人々を惹きつけてやみません。

王妃の大アパルトマンにある王妃の寝室からの景色、2009年、ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館© EPV/ジャン=マルク・マナイ

王妃の寝室