何世紀という時の流れの中で

1821年 – 19世紀

1821 : デュフール棟の建造

1775年のガブリエルの「大計画」工事が中断して以来、ヴェルサイユの街側ファサードは、王の門の両側にある調和のとれていない棟をあらわにしていました。左には、始めの城館に付属する、ル・ヴォーによって1662年から63年に建てられた二階建ての煉瓦と石造りの旧厩舎棟がありました。これは1670年代後わりにはアルドゥアン・マンサールによって、明かりとりに覆われた高いマンサード屋根が乗り、重厚な円柱で構成された柱廊で飾られました。そして右には、ネオ・クラシック様式の簡素な三階建て石造りの棟が。一階部分は台石を構成し、その上に4つの重厚な円柱で構成された柱廊が乗っていました。この柱廊は上部二つの階を覆い、屋根を隠すペディメントで飾られたものでした。これ以上非対称のものを造ることができるでしょうか!ルイ14世の下、王室建造物局は何名もの建築家に計画実施の再開を依頼しますが、提出された計画の過剰な野心は、王国の経済状況によって終止符を打たれたのです。

結局、この醜い印象に驚かされたナポレオン1世が、左翼棟をガブリエル棟と対称にするために、ヴェルサイユの建築家アレクサンドル・デュフールに左翼棟の再建築を託しました。建物の先端は1814年に基礎が造られ1821年に完了。工事は終了しその後再開されることはなく、現在はデュフール棟と呼ばれるこの建物のペディメントは空白のままです。

1814年のヴェルサイユ宮殿の正面広庭に面する古い翼棟の先の解体、ピエール・ドラオネ(1766-1817)、1814年、ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館© RMN (ヴェルサイユ宮殿)/複製権保有

古い翼棟の工事