何世紀という時の流れの中で

1837年 – 19世紀

1837 : ヴェルサイユ歴史回廊の落成

1837年6月10日、子息であるオルレアン公「王家の王子」フェルディナン・フィリップとドイツの若い王女ヘレーネ・ツー・メクレンブルク=シュヴェリーンの結婚に合わせて企画された祝宴の延長として、ルイ・フィリップ王はヴェルサイユ歴史回廊の落成式を執り行いました。

この歴史美術館を、1789年10月にルイ16世とマリー・アントワネットが去って以来王室に使用されていないルイ14世の宮殿に創設したのは、ヴェルサイユの宮殿を不適切な利用から守る決定的な用途を見つけ出すことが気がかりであった王の、個人的なアイディアでした。1832年にその決定が発表され、工事は宮殿建築家フレデリック・ヌヴーの下ほぼすぐに始まります。1837年6月の落成式以降も工事は長く続き、1848年革命により終止符が打たれました。ルイ・フィリップは2,300万金フラン以上の工事費用を王室費の中から負担し、また工事の経過を非常に近くから見守り、15年間で400回近く現場を訪問したと言います。

美術館は、5世紀クロヴィスの統治から、1830年の7月革命によって即位したルイ・フィリップまでの、フランスの王政・キリスト教の歴史を見せるものでした。しかし年を追うごとに、王は多くの間を自身の統治の歴史や彼の子女達の軍事遠征に割いていきます。

1837年6月10日、ヴェルサイユ宮殿美術館の落成の際に「戦争の間」で外交団の前に姿を現すルイ・フィリップ、フランソワ=ジョセフ・ハイム(1787-1865)ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館© RMN (ヴェルサイユ宮殿)/複製権保有

ヴェルサイユ宮殿美術館の完成