何世紀という時の流れの中で

1770年 - 18世紀

1770 : 王立オペラの完成

ヴェルサイユでは様々な祝宴が開かれるようになり、このことから専用の劇場を作る必要性が生まれました。鏡の間では舞踏会を開くことができますが、コンサートや演劇といった催し物には不向きであったため、必然的に宮殿内に短期間の舞台を作っていたのです。ルイ14世はすでに北翼の端にオペラ劇場を建設させることを考えていましたが、王国の財務状況がこのプロジェクトの実現を阻んでいました。そしてルイ15世は、建築家アンジュ=ジャック・ガブリエルに、孫息子とオーストリア皇女の結婚に際し、現代的な劇場、つまり王立オペラ劇場の建設を依頼したのです。工事は1668年に開始され、全体は王太子とマリー=アントワネットの結婚に向けて1770年5月16日に完成されました。王立オペラ劇場は、仮面舞踏会を含むさまざまな祝宴に利用されました。こういった祝宴の際には、ホールと舞台は一つにされ、クロード・ジャン=パブティスト・ジャリエ・ドゥ・サヴォー(1740-1806)が残し、ブザンソンに保存されている図からわかるように、豪華なだまし絵の装飾で飾られたひとつの舞台に変えられたのです。オペラ劇場は、1771年のプロヴァンス伯爵、1773年のアルトワ伯爵の結婚式の際にも使用されました。その後革命までは、公式の訪問のために使用されています。

ヴェルサイユ宮殿の王立オペラ劇場の様子、王太子とマリー=アントワネットの結婚の祝宴のひとつであるラシーヌの「アタリー」の1770年5月23日の上演時、ジャン=ミシェル・モロー(ル・ジュヌ、1741-1814)ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館© RMN (ヴェルサイユ宮殿) / ジェラール・ブロ

ヴェルサイユの王立オペラ劇場