何世紀という時の流れの中で

1736年 - 18世紀

1736 : 工事中のヘラクレスの間

ヴェルサイユ宮殿のヘラクレスの間は、宮殿と北翼が交差する場の中心にあります。主階にあるこの非常に大きな部屋は王の大居室の延長で、以前は礼拝堂の拝廊となっていました。この部屋は、まれにレセプションルームとして使われることもありました。

この工事は1712年にロベール・ドゥ・コットに依頼されましたが、1715年にルイ14世が死去したことにより1725年までその工事は中断されました。画家フランソワ・ルモワンヌ(1688-1737)は、1733年から1736年の間、巨大な天井のヴォールトに、父ジュピターにより神の地位にあげられたヘラクレスをテーマにしたヘラクレスの栄光 を描きました。

また、ヴェルサイユ宮殿では、1732年にルイ15世に紹介された模型を保存しています。これはユノー、ジュピター、へーべ、ムーサ、アポロン、ヘラクレスを含む142人の人物が描かれた寓話的作品の最終的な姿をあらわしたものです。ルモワンヌはその作品により、王の第一画家に命じられましたが、その作品の完成に力尽きたルモワンヌは、その後しばらくして自ら命を断ってしまいました。

ヘラクレスの間の天井 :「ヘラクレスの栄光」、フランソワ・ルモワンヌ(1688-1737)、1731-1736、ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館© RMN (ヴェルサイユ宮殿)/ジェラール・ブロ/エルヴェ・ルヴァンドースキー

天井:「ヘラクレスの栄光」