何世紀という時の流れの中で

2000年 – 21世紀

2000 : ヘラクレスの間の天井の修復

1994年‐1997年のヴェロネーゼのシモン家の宴の修復の後、ヘラクレスの間の天井の修復が必要となりました。部屋の装飾は、ルイ14世のコレクションの最高傑作のひとつである絵画のために作られたものでした。宮殿の中心の建物の北に位置し、北翼でつながるこの非常に広い部屋は、建築家と装飾家にとっては光の問題がまさに課題となりました。東と西には非常に大きな窓があるものの、この部屋は巨大な奥行きのあるアーチ形の天井で覆われており、光を取り込むのが非常に難しかったのです。ルイ15世の第一画家フランソワ・ルモワンヌはその完成に疲れ果て、そして時が経つにつれ絵画は汚れ、絵の具は黄色くなり、彼の才能にそぐわないものとなってしまいました。そのため、すべての部分に洗浄を行い元の色を取り戻し、この部屋の天井を新たに明るく輝かせ、ポール・ヴェロネーゼの絵画の価値を蘇らせる必要がありました。この修復は、この素晴らしい作品をもとの状態に戻すというチャレンジを再び承諾したBNPパリバのメセナ活動により、2001年に終了しました。

ヘラクレスの間の天井;「ヘラクレスの栄光」、フランソワ・ルモワンヌ(1688-1737)、1731-1736、ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館© RMN (ヴェルサイユ宮殿)/ジェラール・ブロ/エルヴェ・ルヴァンドースキー

ヘラクレスの間