何世紀という時の流れの中で

1997年 – 20世紀

1997 : ヴェロネーゼの「シモン家の宴」の修復

企業がヴェルサイユで最初に行った大規模なメセナ活動は、1994年から1997年からヴェルサイユ宮殿と、ミュゼ・ド・フランスの修復サービスおよびリサーチ研究所の協働とBNPのサポートによって行われたヴェロネーゼの「シモン家の宴」の修復でした。

1507年から1573年にベネチア出身の偉大な芸術家によってセルヴィテス修道院のために描かれ、1664年に総督から外交面での衝突の埋め合わせとしてルイ14世に送られたこの作品は、1730年になってヴェルサイユ宮殿にヘラクレスの間が作られたことにより、ようやく安住の地を見つけたのでした。革命時に宮殿に残されたこの絵は、ルイ・フィリップの治世のはじめに宮殿を離れ、そして1961年に宮殿の家具・調度品取替え方針により再び戻ってきたのです。以前にも修復が行われたにもかかわらず、1990年のはじめのこの作品は、取り分け分厚く黄色くなった古い絵の具により黒ずみ、陰鬱な雰囲気を醸し出していました。

作品の歴史と損傷に関する調査と共に、「基本的」で大がかりな修復作業が行われました。これにより、この作品は国王の大居室の装飾としての輝きを取り戻し、ルイ14世の嗜好とルネッサンス期の偉大なベネチアの画家が、偉大な時代のフランス芸術と、ヘラクレスの間で混じり合う光の時代のフランス芸術に与えた影響を浮き彫りにしています。

シモン家の宴、カリアーリ・パオロ・ヴェロネーゼ(1528-1588)、1570年、ヴェルサイユ、ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館 © RMN (ヴェルサイユ宮殿) / ジェラール・ブロ

ヴェロネーゼによるシモン家の宴