1752年 - 18世紀
1752 : 大使の階段の解体
ヴェルサイユ宮殿の王の居室の大きな階段は、大階段または大使の階段と呼ばれています。ルイ・ル・ヴォーが構想し、その後継者であるフランソワ・ドルベと画家シャルル・ル・ブランが1672年から1679年に完成させました。多色の大理石と、金色に塗られたブロンズと絵画で美しく飾られたこの階段は、窓ガラスがはめ込まれたヴォールトから光を取り込んでいます。その装飾全体がオランダ侵略戦争(1672-1678)での国王の勝利を祝っています。踊り場には複数の騙し絵が飾られており、ルイ14世の軍隊の勝利を掲げています。オープン型のカルトゥーシュはまるで景色に面する窓の様だとも言えるでしょう。中心にはヴァラン作の大理石の王の胸像が置かれ、その鎧を身に着けローマ風のケープをまとった威厳あるイメージは、ローマ帝国の強大な権力を参照しています。
ルイ15世の時代には明かりが乏しく荒れており、そのため外交での謁見を除いてはほとんど用いられることはありませんでした。この階段はガラス窓の維持に懸念を抱き、また内殿の拡大を希望した王の求めにより1752年に壊されることとなったのです。