何世紀という時の流れの中で

2008年 – 21世紀

2008 : アポロンの水浴の木立の修復

21世紀の始まりは、ヴェルサイユ宮殿の庭園の彫刻の大半を緊急で避難させる必要性が明らかになったことから幕を開けました。これらは1660年から1670年代以降ずっと野外で展示されているため、気候や人間が原因となる、ありとあらゆる損傷を受けているのです。年を経るごとにもろく、壊れやすくなっていく大理石は、取り返しがつかないほどの状態の悪化を見せ、これらを前にしては単純な強化対策では何ら役にも立たないほどになってしまったのです。特に、一部の作品ではそれが顕著です。例えば、1666年-1675年代にジラルドンの指揮の下、テティスの洞窟のために作られたアポロンの水浴の木立の群像が挙げられます。洞窟が壊されたときに庭園に移動され、その後木立の中で何回か動かされたこれらの群像は、1770年代にユベール・ロベールの設計で作られた新しいアポロンの水浴の木立の岩山に置かれました。あまり奥深くないところに置かれた群像は、寒さや滝の水、そして岩山を伝う湿度で染み出た水分の犠牲になったのです。

2008年7月、モールドを作り修復するためにそれらは取り外されました。1970年にフローランス・ヴァン・デル・ケンプにより創設され、現在娘のバルバラ・ドゥ・ポルタゴが代表を務めるヴェルサイユ基金は、その作業に必要となる主な資金を拠出しています。新しい群像は2009年に設置されました。

アポロンの水浴の木立、2010年、ヴェルサイユ、ヴェルサイユ宮殿とトリアノン国立博物館© EPV/クリスティアン・ミレ

アポロンの水浴の木立